商品解説
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これまで西側の多くの資料では、第二次大戦ソビエト赤軍のKV(クリメント“クリム”ヴォロシロフの略)シリーズ重戦車は、重くスピードが遅く扱いづらい戦車で、1941年のドイツ軍ソ連侵攻「バルバロッサ作戦」の戦闘でも限定的な影響しか及ぼさなかったとみなされていました。
しかし最新の研究では、T-34戦車の脇役というような視点はもはや成立しないと考えられています。
著者のJochen Vollertは、東部戦線の戦場におけるKV重戦車とその真の役割について、更新された新たな視点から公平な評価を行いました。
この分析結果では、1941年のKV重戦車は1944年のノルマンディー上陸作戦で連合軍に大きな戦術的・心理的影響を与えたドイツ軍のタイガー戦車に匹敵すると考えられ、これまで著しく過小評価されてきたということが判明しました。
本書は、敵に完全な驚異をもたらし、最も不利な状況下でドイツ軍の進撃を遅らせ、4年後のソ連の勝利の基礎を築いた伝説的なソ連戦車を解説するものです。
すでにメーカー絶版となっているKV戦車シリーズ書籍を包括し、既刊の誤りを訂正するとともに、新たな研究結果と多くの新事実で更新した一冊となっています。
試作車両、生産初期の増加試作車両、生産シリーズのロットによる相違点、未公開の新型戦車などの多くの新事実を、豊富な写真やイラストで解説します。
またドイツ軍で鹵獲運用されたKV戦車「KWボイテパンツァー」についても大幅に加筆し新章として追加しました。
その他カラーイラストや図版、1/35スケール図面も多数掲載しています。
長くT-34の影に隠れていた戦車の実相を初めて広範囲にビジュアル化した本書の出版により、ようやく「クリム・ヴォロシロフ」戦車ファミリーは1941年のソビエト祖国防衛と世界戦車史に相応しい地位を得ることになります。
ソビエト赤軍戦車の研究者はもちろん、KV戦車を製作するモデラーにも必携の一冊となることでしょう。
なお本書は999部のみの限定出版となります。
ページ数:728ページ
写真:カラー写真45枚、戦場写真1030枚、モノクロ写真204枚
細部イラスト:345枚
1/35スケール5面図:18枚
カラーイラスト:32枚
限定版:999部